北関東 足利市の公認会計士・税理士 森会計事務所

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これからの法改正の動き

これからの法改正の動き

労災認定基準の見直しなど過労死防止に向けた動き

過労死をいかに防ぐかについての制度面の見直しに関する議論が進んでいます。

●新たな数値目標の設定

過労死等防止対策推進協議会は「過労死等の防止のための対策に関する大綱(案)」を公表しました。
今後の施策とともに、将来的に過労死をゼロとすることを目指し、令和7年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下に、年次有給休暇の取得率を70%以上に、といった新たな数値目標が示されています。

●労災認定はより総合的な判断に

また、脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会は、報告書案で労災認定基準見直しの方針を示しています。
たとえば、長期間の過重業務における労働時間の負荷要因の考え方について「発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること」という従来の基準を妥当としています。
そして、この時間による考え方に加えて、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に考慮して業務と発症との関連性が強いと判断できる場合について、「労働時間以外の負荷要因において一定の負荷が認められる場合には、労働時間の状況をも総合的に考慮し、業務と発症との関連性が強いといえるかどうかを適切に判断すること」「その際、労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められる場合には、特に他の負荷要因の状況を十分に考慮し、そのような時間外労働に加えて一定の労働時間以外の負荷が認められる場合には、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること」を新たに示すことが妥当としています。
厚生労働省は最終報告書をもとに認定基準の見直しを進める予定です。従来の月100時間あるいは80時間超の時間外労働という基準に達しない場合でも労災認定される可能性は高くなりそうです。

●労働基準法見直しの声も

「過労死防止大綱」の改正の検討にあたって委員から提出された意見書では、わが国における過労死等防止対策を推進するうえで、21世紀における新しい抜本的な労働基準法の制定を視野に入れ、その準備に着手すべきであるという内容を盛り込むべき、という指摘もありました。
今後も、様々な法改正の動きが現われることが予想されます。

注目したい法改正の動向

  • サイバー犯罪対策強化
  • 警察庁の組織改正構想では、警察庁にサイバー局と一定のサイバー事案について捜査を行なう組織を設置し、サイバー事案への対処能力の強化を図るという方針が示されました。そのための警察法改正案が次の通常国会に提出される予定です。
  • 最低賃金引上げ方針は変わらず
  • 最低賃金について中央最低賃金審議会の諮問に基づく審議が開始されたことを受け、田村憲久厚生労働大臣は「骨太の方針2021」でも示された全国加重平均1,000円を目指すことをふまえ、本年も最低賃金を引き上げる方向で検討する方針を明らかにしています。
  • 行政不服審査法の見直し
  • 行政不服審査法の抜本的見直しから5年が経過しました。そこで、改正法の施行状況およびその課題・改善の方向性等について検討する「行政不服審査法の改善に向けた検討会」が設けられ、標準審理期間の設定など、調査報告書に基づく重要な論点が示されました。
  • 外資規制のあり方を検討
  • 放送事業者の外資規制違反が相次いで問題となったことを受け、「情報通信分野における外資規制の在り方に関する検討会」が、論点整理をスタートさせました。
  • 裁量労働制推進に一石
  • 裁量労働制実態調査で、裁量労働制適用者のほうが非適用者より長時間労働をしていることが明らかになりました。厚生労働省はこの結果をふまえ、裁量労働制のあり方について検討するとしています。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック

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